メルマガ90

「森の駅発」メルマガ 第90号

★ 藤村 直人 様 追悼の辞 岡本守生
★ 山小屋通信–26「藤村さんの思い出」大森 明
                                              
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藤村 直人 様 追悼の辞

 オーツクの海に倣って、人工の流氷をつくり、浮揚する藻や魚を多量に育て、
やがては蛋白資源に出来ないか、と言うソーラーマリンフォーミュラム構想。
そのスケールの大きな実験を瀬戸内海の周防大島で行う大手電器関連メーカーの
研究員がいると、江の島水族館元館長の広崎先生から聴き、瀬戸内海クラブでの
話題提供をすぐお願いしたことがあります。その人こそ藤村直人さんでした。
聴くところ、有機感光体などの研究開発でかなりの利益をもたらしたとのこと。
分野が異なる海での実験にも拘わらず、臆せず実験をされておられる様子でした。
海洋環境、特に瀬戸内海の環境問題が一段落していた時に恰好の課題でした。
しかし研究継続が中止となり、期待されていた大きな構想だけに誠に残念でした。

過熱水蒸気とプラズマの融合技術の開発、
ヒノキ・ヒバ抗菌液による空気清浄機の開発、
リグニン配合のペレット成形技術開発等のために、「森と海の研究所」を設立、
森の駅推進協議会事務局も同居した時期があり、多々お世話になりました。
森の駅推進協議会の幹事としては「人畜無害な接着剤の開発」を依頼し、
多忙な中なかなか幹事会に出られないので、日吉の喫茶店で、2,3ヶ月に一回、
開発情況を中心に情報交換するのが楽しみでした。依頼案件は、研究・開発の
協力者を得、遂に昨年実験に成功、その後実用化に向け、更に接着強度向上の
試みを続けておられましたが、日の目を見る事なく去られ、口惜しい思いです。

 しかしある時から彼の身体が、肺の回りが次第に病に蝕まれようになり、小生の
薦めた慈恵医大でも受診された様子ですが特に気落ちした様子もなく、やがて日が
経てば直るように言っておられ、暫く連絡がないと思っていたところに、突然訃報
が届きました。6月23日のことです。吃驚しました。やがて半年になります。
その空白が気になりながら、想うは残念、無念の連続、とりとめもありませんが、
藤村さまがあちらで読んで下さればと思っています。

謹んで哀悼のお言葉を申し上げます。
                                  岡本拝
 
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山小屋通信–26「藤村さんの思い出」大森 明

数年前、森の駅の活動に関わるようになってすぐ、
藤村さんが開発した木製の空気清浄機に出会い、強烈な印象を受けた。
なにしろ間伐材を輪切りにした丸太形状(しかも木の外皮付き!)で、
中からはヒバ成分のかぐわしい香りをモコモコと吐き出すというモノ。
見た目に惚れ、しかも吐き出す香りが良いので勤務先に1個、自宅に1個購入した。
購入後、藤村さんから手書きのお礼状をいただいた。
手書きの手紙をもらうと嬉しい。さらに手紙の内容が嬉しかった。
購入についての丁寧なお礼の文に加え、香りの元のヒバ成分入りペレットの使い方、
香りの加減のしかた等が、丁寧にわかりやすく書き添えてあった。
藤村さんの誠実な人柄を感じることができた。
その後、市民フォーラムや会合で何度かお会いし体調がよくないと伺ってはいたが、
亡くなられたと聞いて後悔している。伝えきれていないことが幾つかあった。
自宅用に購入した空気清浄器がインフルエンザで寝込んだ折に大活躍してくれた事。
高熱で寝込んでいる枕元に漂うヒバの香りに、どれだけ癒されたことか。
また勤務先で購入した方は来客スペースに鎮座、環境ISO活動や自然環境に興味
のある方が来られると、この丸太型の空気清浄器を話題に盛り上がったこと。
などなど、藤村さんにお礼をはっきりと言いそびれてしまった。
今更になってしまったが、藤村さん、ありがとうございました。
空気清浄器を大事にします。合掌。