メルマガ86

「森の駅発」メルマガ 第86号

★ 熊本県水俣市の森の駅「愛林館」の活動報告
★ 山小屋通信–22「山小屋料理」大森 明
                                                       
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熊本県水俣市の森の駅「愛林館」(水俣市久木野1071)の活動
日本一(自称)のボランティア造林、今年も開催
愛林館は、熊本県水俣市の山間部久木野地区にあります。
海で起こった水俣病で名前が知られた水俣市ですが、75%は森林です。
特に久木野地区は山ばかりで、森林率は90%を越えます。
人々は、昔は炭焼きなどで暮らし、自給用の米を棚田で育てていました。
大正時代の初めからは、ヒノキを草原に植えて村有林を育て、
昭和31年の合併前後には大変な収益をもたらした歴史もあります。

戦後の木材不足の時代に、広葉樹を伐って成長率の高いスギやヒノキを植える
政策が取られると、まじめな水俣の人々はしっかりと実行しました。
その結果、久木野の民有林では人工林率が90%超です。
さすがにやり過ぎたという思いは皆さんにもあります。

そこで、愛林館では96年から、奥山の針葉樹の皆伐跡地に広葉樹を育てる
「水源の森づくり」を行っています。当地では山の自然林は常緑広葉樹林ですから、
それに近い森を育てようと樹種を選び、ボランティアの仲間と植えて、
一部は下刈りをして、つる切りをして、なかなか良い森が21ha育ってきました。

かつて下刈りをした時期は汗をかくほど暑かったのですが、
もう木が育ってきましたので、その必要はなくなりました。
つる切りは森の中の作業なので、さほどきつくはありません。
ヤマザクラの花を咲かせるための除伐も行っていて、
将来の景色を想像しながらの作業は楽しいものです。

「働くアウトドア」を今年も開催中です。詳しくは
http://airinkan.org/16hataraku.html
ですが、8月20日に開幕し、
4回の週末(8月27日,28日、9月4日,10日,11日)を予定しています。
皆様ぜひおいで下さい。お待ちしておりますね。

〈巻末に「働くアウトドア」の様子の写真があります。あわせてご覧下さい。〉

愛林館プロフィール

熊本県水俣市久木野にある「愛林館」の活動のテーマは、
「エコロジー(風土・循環・自立)に基づく村おこし」。

1988年(昭和63年)廃線となったJR山野線の久木野駅跡地を利用し、
1994年(平成4年)水俣市が建設、久木野地域振興会が管理・運営を受託。

「今後2000年間、この地に人が住み森と棚田を守っていけるむらづくり」
を目標として、全国公募で選ばれた沢畑亨館長のもと活動中です。

沢畑館長は熊本県出身、東京大学で林学を専攻後、
百貨店、コンサルタント自営を経て、
1994年愛林館館長の全国公募で選ばれて以来、地域づくりの活動を展開。
総務省地域力創造アドバイザー、火の国未来づくりネットワーク会長などを兼任、
一方、熊本大学はじめ多くの教育機関で講義を持つなど、広く活躍。

一年を通しての活動は、
環境教育としての3つの柱、研修や体験教室の「グリーンツーリズム」、
水源涵養と生物多様性の回復のための、市民の手による「水源の森づくり」、
千年の昔から築かれ始めたという棚田保全の「田援計画(でんえんプロジェクト)」
を中心に、現地農産加工品販売と食育体験による日本型食生活の推奨、
全国に紹介される棚田のあかりをはじめ、コンサートやマラソン大会等イベント開催。

水俣病を原点とした環境政策を展開し、
日本の環境首都となった水俣市での活動を展開する愛林館。
今回の熊本地震では全く被害はありませんでしたが、後方支援を行いました。

これからの日本の環境のあり方を考えるために、訪問したい「森の駅」です。
お問い合わせ:〒867-0281 熊本県水俣市久木野 1071
TEL & FAX :0966 – 69 – 0485
愛林館ホームページ:http://airinkan.org/
交通アクセス:鹿児島空港からレンタカーで1時間30分
       熊本市内から車で2時間30分
       JR熊本駅〜新水俣駅(特急+新幹線)30分+タクシー30分
       *新幹線の新水俣駅から愛林館行きのバスはありません。
       肥薩おれんじ鉄道・水俣駅からみなくるバス・愛林館前まで50分
       *JR熊本・水俣間 快速列車「スーパーおれんじ」利用1時間20分


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山小屋通信–22「山小屋料理」大森 明

自分は料理がへたくそである。
だが、山小屋料理に強い味方が「2人」できた。
1人目は家族から今年プレゼントされたダッチオーブン君。
アウトドアクッキングの本などで目にしていたが、これが非常に優れもの。
肉や野菜の料理が思いのほかうまく出来る。
まず屋外の炉で熾火状態の炭をたくさんつくる。
ダッチオーブンに肉・野菜・塩・コショウを詰め込んで蓋をし、
熾火の炭で上下から加熱する。
あとは山仕事に戻ってもよいくらい(ほったらかし)。
出来上がった肉はやわらかくてジューシー、
ジャガイモやニンジンはうまみを濃縮した感じで、表面のこげ目もいい感じ。
キャベツやタマネギを多めに詰め込むといいスープもできる。
これで一杯やるのは最高。
2人目はスモーカー。
これは喫煙者のことではなく(小屋は禁煙)、燻製装置のこと。
と言っても一斗缶を改造し、通気孔を五寸釘であけ、
中には金網を1段設置できるようにしただけの簡単なもの。
まず、この燻製装置内に食材をのせた金網をセットする。
次に燻製チップを装置の底に敷いて外から焚火の熾火で熱を加えるか、
あるいは棒状に固めてある燻製用チップならば、
火をつけて煙がよく出るようになったら装置の底に置く。
蓋をして、あとは放置して山仕事。
もうもうとした煙がおさまった頃にふたを開けると、
燻製独特の良い香りがする、あめ色をした燻製の出来上がり。
食材は、塩コショウ&香草で味付けした鶏肉を茹でたもの・味付けしたゆで卵・
プロセスチーズなどは失敗が少ないと思う。
うまく出来た時はゴハンのおかずのはずが、お酒のつまみとして消えてしまう。
だが、ときどき美味しくない「ガッカリ燻製」ができることがある。
チーズが大部分ドロドロ溶け落ちて容器の底にベッタリ焦げ付いたり、
なぜか、ひたすら酸味が強かったり。
いろいろ勉強させてもらっている試行錯誤が、また楽しいのだ。

〈巻末に筆者撮影の「山小屋料理」の写真があります。あわせてご覧下さい。〉

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天然の木材による住まいは「健康の泉」

自然はすぐ側にある。気付かないだけです。
仕事に疲れると、森や海の自然豊かな場所へ出掛けたくなります。
4〜50年前までは、森の恵みが息づく自然がそれぞれの家にもありました。
しかし経済最優先の省エネ・省コスト・利便性が強調され過ぎ、
生命を失くした木材や、化学合成品の使用増加に、高気密・高断熱が加わり、
本来の人が住む家としてのバランスを失い、その挙句シックハウス症候群まで登場。
健康を失った住いの文化など存在しないのです。
戦後住宅の発端の趣旨は健康で立派なのですが、その目的の為に、健康に良くない
建材・資材が多く使用されるようになっていることは、すでに知られるところ。
一日も早く健康な毎日、健康な生活のために、健康な住まいを推進しましょう。