メルマガ79

「森の駅発」メルマガ 第79号

• 第24回森の駅発市民フォーラム《6月2日開催》のご案内
   林野庁木材産業課長の小島孝文氏をお迎えします。
• 山小屋通信–番外編「木製椅子作り教室 体験記」大森 明
   一石二鳥を狙ったリハビリと木工技能習得は大成功。
                                              
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第24回森の駅発市民フォーラム《6月2日開催》のご案内

次回市民フォーラムは、林野庁木材産業課長の小島孝文氏をお迎えします。

お話し頂くテーマは、国産材利用の現状と今後の展開の方向性です。
さらに森のあるべき姿と、森の最大の出口である住まいの将来像を、
皆さまとの対話を通して検証していきたいと思います。

現在日本の市場を支配する外国産木材ですが、為替変動の理由等だけで、
国産木材を使う考え方では、日本の森の問題は根本的な解決に至りません。

昨今は、有機栽培の食物や、オーガニック・コットン等に代表されるように、
衣食の自然回帰ブームが広がり、特に生活クラブ生協の運動等や、
政策化等の影響で、衣食における自然回帰は進んでいます。

しかし、最も遅れているのが「住まいの自然回帰」です。
本来の自然の木材が持つ健康力に着目して活用するようになると、
今後、住まいの自然への回帰にとって大きな弾みになるように思います。

これで衣食住の自然への回帰が一斉に並ぶことになり、
将来の健康寿命の増進に繋がれば、長期間病に伏す老人も少なくなり、
人の生命を育んだ森も喜ぶのではと思うのですが…。

次回の市民フォーラムは下記の要領で開催いたしますので、
奮ってご参加のほど宜しくお願い申し上げます。

                 記

1 日 時:平成28年6月2日(木)18:30〜21:00
2 場 所:「ベニーレ・ベニーレ」(渋谷区神宮前4-31-10YMスクエア6F)

3 講 師:林野庁 木材産業課(旧木材利用課)課長 小島 孝文 様
4 話 題:「国産材利用の現状と今後の展開方向」

5 会 費:3,000円(軽食+飲物付)
6 問合せ:担当幹事 西村/090-5341-5003 代表幹事 岡本/090-3210-0344

7 ご出席の返事:morinoekihatsu@m01.itscom.net
8 当日は小嶋氏との対話の時間を設けております。ご希望の方は、お申し込みの
  メールに、出席者のお名前と共にご意見、ご質問の内容をお書き下さい。なお
  限られた時間ですので、勝手ながら準備の都合上5月15日迄にお送り下さい。
  ご参加のお申し込みは、5月末まで受け付けております。

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山小屋通信–番外編「木製椅子作り教室 体験記」大森 明

昨年は不覚にも病のため、激しい運動禁止・夜遊び自粛の年だった。
その鈍った体と心を鍛え直そうとしていた矢先に、
木製椅子づくり教室受講生募集の記事が眼にとまり、早速申し込んだ。
かねてから、木の椅子を作りたい(その次は楽器つくりだ!)
と思っていたので、リハビリと木工技能習得の一石二鳥を狙った。
結果は大満足の一石二鳥となった。

開催場所は、各種技能訓練や講習が行われる横浜市内の施設。
横浜の老舗クラシック家具会社の方々が2日間にわたり指導。
初日、会場でまず一抱えもある包みをもらった。
開けるとクリの木の椅子部材が入っている。
木目が美しい分厚い1枚板をカットしたもので、
近所の大工センターでは見られないような素材に、
うれしくなってしまった。
部材は、背・座・脚、それからクサビ等の小部品だ。

座は外形がカットされていて、背を差し込むための四角いホゾ穴や
脚を差し込むための丸い穴が4つあけられた状態になっている。
背および4本の削り出された脚を、座に差し込んで、
クサビや接着剤で固定するというものだ。
初心者なのでこの段階まで加工してもらっていて正直ホッとした。

一方、背は未加工部分の多い状態。
座との接合部分のホゾ以外は、手が加えられていない四角い板の状態、
自分でセンターを決め、外形の線を引いて糸鋸盤で切り抜くというもの。
希望者は、背の中央に好きな形で切り抜きを入れるオプションもOK。
切り抜き用の型紙も幾つか用意されていたが、
さて、どんなデザインにするかなといった具合で、
他の受講生も、自分の好きな図案を切りぬくことに決めたらしい。

また、包みの中には手順書も入っていた。
口頭で注意点の補足説明等もあり、非常にわかりやすい手順書だ。
今回作る椅子は「ペザントチェア」といって、昔の農民(Peasant)が、
農閑期などに家具を作っていたのが由来の椅子とのこと。
写真や実物を会場で見せてもらったが、背には切り抜きだけでなく、
彫刻が加えられたもの等、凝った造りのものが多く、なかなか素晴らしい。
さすがに彫刻の工程は、今回の講習には無い。

説明が終わり、さて糸鋸盤でと思いきや、なんと鉋(かんな)の使い方・
刃の砥ぎ方・手入れの方法から講習がスタートした。
先生の指示通りに刃を出し、お試し用の木に鉋をかけると、
透き通るくらい薄いリボン状の鉋屑が、スルスルッと出てくる。
自分の鉋では絶対に出ない長くて薄い鉋屑に、感動してしまった。
記念に鉋屑をリボン状に巻いて持ち帰ることとした。
(この日は鉋を使う工程はなく、最終日に重要な役割が待っていた)。

その後、いよいよグループに分かれて作業が始まったが、
当方のグループは、まず糸鋸盤による背の外形カットと切り抜きから始めた。
糸鋸盤は持っているので、ある程度慣れていたこともあり、
分厚いクリの木だったが何とかイメージどおりにカットできた。
しかし、失敗をしたくない気持ちが強かったせいか、力が入り、
途中で汗びっしょりになってメガネが曇り、視界不良のまま糸鋸盤を操った。

次に背の中央に、あの著名なネズミ君の顔形の切り抜きを入れることにした。
勝手ながら当方はギターを弾くための椅子にするので、
四分音符の切り抜きを入れようとも考えたが、
細い線模様の加工に自信が無いのと、鋭角部分が欠けることを恐れてやめた。
一方、ネズミ君の切り抜きはボール盤で全部できるよとのこと。
ボール盤は殆ど経験がなかったが、
先生のアドバイスどおりに大小ドリルの刃を使い分けて、
ネズミ君の顔を背の中心部分に切り抜いた。

次に切断面を120番や180番の紙やすりでひたすらゴシゴシ。
ネズミ君の切り抜き面もゴシゴシ。
無心で磨いて、気が付けばまたもや汗びっしょり。
良いリハビリになると同時に、ザラザラだった切断面はツルツルしてきて、
おおっ!クリの木の渋い木目がくっきりと出てきたではないか。
角も取り、平面部分も紙やすりで仕上げて、初日は時間切れとなった。

=次号に続く=
巻末に完成した「ペザントチェア」の写真があります。あわせてご覧下さい。

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森と樹木は「健康の泉」
木材の生命を奪うのは、森への愛でしょうか?
木材は製材時の高温乾燥で、成長中に貯めた7年分相当のCO2を排出します。
香りも無く調湿作用も無い命を絶たれた木は、大量生産の無機質な素材です。
こうして化学物質に満ちた他の資材と共に家の屋内構成に用いられています。

これでは見た眼が木材でも、本当の健康効果を放棄していることになります。
自然な衣食住への回帰が盛んな中で、折角の健康寿命を縮めているようです。
誠に残念です。(岡本守生代表幹事)

森の駅推進協議会では、上記「健康の泉」に代表される問題の解決へ向けて、
森の駅発と称し下記の活動を行っています。
あわせてご参照の上お役立て頂ければ幸いです。