国産材を使用する意義

日本の森林率は、明治時代では森林率45%に過ぎませんでしたが、現在では67%となっています。
拡大増林の成果もあって、森林面積の約41%が、ビジネス利用を目的として植えられた人工林ですが、長らく放置され、国産材自給率は18%台にまで落ち込んでしまっていまいましたが、現在は36%となっています。
そして2025年には50%を達成することを目標としています。

 人工林の針葉樹は現在、手入れがほとんどされておらず、ひしめき合って並んでいる状況です。
光が差し込まないため、下草も生えず、細くてヒョロヒョロした木ばかりです。そのような木は、根が浅いために土を締め固める能力が乏しく、台風や豪雨で簡単に倒れてしまいます。
全国で土砂崩れが多発し洪水が増えているのは、森林の保水能力が低下しているからとも言われています。
かつて森林は、フカフカの腐葉土に覆われ、ミネラルや栄養分が川から海に流れ、海産物が豊富に育っていました。
まさに「山紫水明の国」だったのです。若い人はこの言葉すら聞いたことがないと言います。今は死語なのです。

 日本の森を守り、元気にしていくために、国産材の使用をさらに促進する必要があるのです。
 一人ひとりが特に木造住宅を建てる際に際に、外材よりも国産材の使用を進めていくことが、求められています。

 かつて日本は、南洋材を乱伐し、ロシア材にまで食指を伸ばして世界の木材を買い集めてきました。
自国の生命循環を壊し、世界の環境破壊をしていると、温暖化対策の国際会議の場などで、批判を浴びるほどでした。
日本の森林再生、主に人工林再生は世界の大命題といっても過言ではないのです。
また林産地では高齢化が進み、林業が衰退すると共に、限界集落の再生が急務となっています。